体位変換の仕事と目的

介護施設における体位変換の仕事は、利用者が日常生活を送るためのさまざまな動作を援助するために行います。体位の種類には、立った姿勢の立位、寝た姿勢の臥位、座った姿勢の座位があり、臥位から座位、座位から立位といった起き上がるための変換のほかに、臥位のままで行う変換も非常に大切です。

特に介護度が高く、寝たきりの生活を送っている利用者は、血流が悪くなって皮膚がただれたり、炎症を起こしたりする褥瘡の発生が多く見受けられます。そこで、仰向けに寝る姿勢の仰臥位と、横向きに寝た姿勢の側臥位との体位変換をして、利用者の身体の向きを変えて意図的に寝返りを打たせることで、褥瘡の発生を予防する効果にもつながるのです。

また、介護度が高くなるにつれて、利用者が同じ姿勢のまま安静に過ごしてしている時間が長くなると、筋力の低下、筋萎縮の進行、関節の拘縮、骨密度の減少などあらゆる弊害が起こり、生活不活発病と呼ばれる心身機能の低下に陥りやすくなります。介護職員がこまめに体位変換を行うことは、こうした生活不活発病を防ぐことにも役立ち、利用者のQOLの維持や向上にも非常に有効です。

ただし、利用者の体位変換は介護職員にとって、とても体力を必要とする仕事の一つです。そのため、最近では介護職員の身体への負担を減らす目的で、電動の介護用ベッドや床ずれ防止用具など、体位変換を補助するための福祉用具を積極的に導入している介護施設が多くなっています。福祉用具を上手に活用して、利用者と介護職員が共に快適に過ごせる取り組みは、今後もますます必要となるでしょう。こちらhttp://taiihenkan-kihon.comに体位変換の基本の紹介サイトがあるので、一度目を通しておくと役に立つかもしれません。